2014年7月10日木曜日

NFCとMobile - かざして つながる -






定期券や電子マネーの情報を、かざすだけで伝えられる。
駅の改札やコンビニエンスストアなどで今では当たり前となった光景ですが、ここで使われている無線通信技術、ご存知でしょうか?


遠く離れた相手と通信する衛星通信や携帯電話と異なり、僅か数センチの近距離を無線で結ぶ技術は近距離無線通信技術と呼ばれます。現在、 13.56MHzの周波数帯を用いた方式は、Near Field Communication いわゆるNFCとして国際標準規格にまとめられ、私たちの生活にも広く利用されています。

例えば、ICカード定期券やEdy等の電子マネーのカードは勿論、ICカード化された運転免許証や住民基本台帳カードにもNFCが入っている他[1]、小さなタグやシールにも組込まれ、ID情報が入ったリストバンドや貨物の荷札等に使用されるなど、あらゆる分野に普及しつつあります。

ところで、「リーダーにかざして情報を読み取る」と記しましたが、このNFCを読み取るリーダーは、お店のレジや改札機だけでなく、実は日本中の多くの方が毎日持ち歩いています。そう、皆さんがお持ちのスマートフォンはNFCリーダーでもあるのです。NFC対応のスマートフォンはこれまで累計で70機種普及台数は1392万台に達しています[2]

日本では世界に先駆けてFeliCaが携帯電話に搭載した他、Androidスマートフォンへの搭載も進み、モバイル・デバイスの世界ではNFC対応の最先端を行く国といっても過言ではありません。

いつでも・どこでもインターネットに接続され、様々なアプリケーションが利用可能なスマートフォンとNFCの組合せがもたらす可能性は無限大です。これまでは交通機関のチケットや電子マネー等での利用が中心でしたが、ネットワークと様々なリアルな"もの"、そしてサービスの三つがスマートにダイナミックに結ばれ全ての情報が自在に行き交うその世界から、様々な革新が生み出されるものと期待されています。





NFCの標準化と普及推進にあたるNFC Forum Japan Task Forceでは、今年、NFCのさらなる成長とこうしたイノベーションの実現を目指し、ITproが主催するAndroidアプリケーション・コンテスト「Android Application Award 2014」(A3)の協賛を通じてアプリケーション開発者を応援し、NFCが切り開く未来を探ってゆきます。

NFC Forum Japan Task Force 2014 マーケティング実行委員会が運営するこのブログでは、A3の活動の模様をはじめ、NFCの最新情報や未来の可能性を定期的に紹介してゆく予定です。ぜひご期待ください!


[1] 国内運転免許証は2007年からICカードへ切替が始まりました。このカードにはNFC-B(通称Type-B)が使用され、リーダーにかざすことで情報を読み取る事が出来ます。 住民基本台帳カードも同様です。また、ICカード定期券やEdy等の電子マネーのカードに広く使用されているFeliCaは、NFCの共通規格に各種セキュリティ処理を加えた形で構成されています。詳細はこちらをご参照ください。